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「今月のブログ」では、定量解析結果からRのパッケージを使って様々な図表を簡単に作成する方法をご案内します。

「今月の論文」では、シナプスタンパク質の刺激による糖のシアル化を定量化するとともに、糖のシアル化が神経細胞間のコミュニケーションに関与している可能性を示した論文を取り上げました。

「今月の小技」では、Mascot Server Database Managerにおける2種類のデータベース登録方法、カスタム構成とpredefined構成の違いをご案内します。

Mascotニューズレターの バックナンバーはこのページ からご覧いただけます。日本語版は「Japanese」リンクをクリックしてください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

今月のトピックス

定量解析の図表作成
神経細胞におけるN-結合型糖タンパク質のシアル化
データベース登録の2種類の方法
 

Daemonの新機能 Quantitation Summary : 出力データを使った統計解析の実施やグラフの作成例

2020年5月のブログ記事(英語日本語訳)でご紹介した Daemonの新機能、”Quantitation Summary”で定量データをまとめ出力した情報は、さまざまな方法でデータ解析や可視化する事ができます。

スプレッドシートを開くことのできるEXCELのような基本プログラムでも、ファイルを読み込みデータ処理を行うことができますが、複雑な統計解析を行うには一苦労です。

Max Planck研究所が開発したソフトウェアPerseusであれば、グラフィカルなユーザーインターフェースを使って比較的簡単にデータを取り扱う事ができます。さらに、’R’のパッケージの1つであるBioconductorには、プロテオミクスおよび質量分析データ解析用の200以上のスクリプトが用意されています。

数行のRスクリプトで何ができるかを説明するために、非小細胞肺がんの発がん性マイクロRNAの10plex TMTデータを使って実際に様々な図表を作成しました。box plot、PCA解析、ヒートマップ、volcano plotが簡単に作成できます。

サンプルマップとQuantitation SummaryについてはMascot Daemonのヘルプファイルにその内容と使い方が記載されており、Bioconductorには広範囲のサポートとチュートリアルがあります。

詳しくは2020年6月のブログ記事(英語日本語訳)をご覧ください。

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ラット神経末端のN-結合型糖タンパク質において、脱分極が誘導するシアル化の部位特異的変化

Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

Depolarization-dependent induction of site-specific changes in sialylation on N-linked glycoproteins in rat nerve terminals

Inga Boll, Pia Jensen, Veit Schwaemmle and Martin R. Larsen

Molecular & Cellular Proteomics 19, 1418-1435 (2020)

著者らは、ラット脳神経末端から単離したシナプスタンパク質において生じる、N結合型糖のシアル化について調べました。TiO2クロマトグラフィーと脱グリコシル化、TMT定量、LC-MS/MSといった手法を併用しながら、5000以上のタンパク質を同定し解析しています。

細胞をKClで5秒間刺激したところ、脱分極により様々なシアル化・脱シアル化が起こりました。また5秒の脱分極後に糖が付与する430カ所の領域で量的な変化があった事を発見しています。このことから著者らは、糖のシアル化が神経末端のシナプス伝達過程に大きな影響を与える動的な翻訳語修飾であると提唱しています。

また、プロテオミクスデータの解析を通じて、シアル化と脱シアル化に関与していると考えられる 3つのシアル化酵素と8つのシアル基転移酵素を同定・発見しました。

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Mascot Server Database Managerにおける2種類のデータベース登録方法

Mascot Server のDatabase Managerでは、カスタムとpredefined 、2種類のデータベース登録作成方法を提供しています。カスタムの説明は至極簡単です。ユーザーは、ダウンロード URL やFASTA先頭行の抜き出しルール(parse rule)など構成のすべてを自身で指定します。既に使用しているデータベースをテンプレートとして使用することも、ゼロから始めることもできます。

一方predefined では、弊社側でデータベースの構成を最初から指定しており、変更は限定的にしかできません。predefined を利用したデータベース登録方法は、カスタムで登録する方法にはないいくつかの利点があります。

  • マウスを数回クリックするだけで使用可能になる事
  • 信頼性の高いテスト済みの構成である事
  • 弊社側で定義を最新の状態に保ち、公開側の変更にも自動的に対応できる事

3つ目のポイントについてはもう少し詳しく説明します。データベースファイルの取得先であるダウンロードURLやタイトル行の形式など何かが変更された場合、弊社にてpredefined の定義を変更し、その内容が自動的にお手元のMASCOT Server に届きます。設定項目の中でも特にtaxonomyファイル並びにその情報を使用するケースでは設定も複雑で大変であることから、できる限りpredefinedの中から選択し利用する事をお勧めします。

最後に、皆様によく利用される、データベースの自動更新についても言及します。自動更新を有効にする唯一の必要条件は、すべてのファイルのダウンロード URL を指定しておく事です。すべてのpredefinedデータベースにはダウンロード URL の指定がありますが、カスタムではご自身で記入する必要があり、使用するかどうかはご自身の判断となります。

詳細は、Database Managerのヘルプ ページを参照してください。

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