英語のWeb版はここをクリックしてください   日本語のWeb版はここをクリックしてください

newsletter banner

2018年3月号

ペプチド・マス・フィンガープリント(PMF : Peptide Mass Fingerprinting)は今年で25年目を迎えます。

「今月の論文」では、intactな糖ペプチドの同定にMascot検索を応用した例を取り上げました。お客様が取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。

今月の小技では、弊社ソフトウェア製品に適したハードウェア仕様についてご説明します。

Mascotニューズレターのバックナンバーは このページ からご覧いただけます。日本語版は「Japanese」リンクをクリックしてください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

もくじ

タンパク質同定25年
今月の論文
今月の小技
 

質量データと検索技術を利用したタンパク質同定が始まって25年が経ちました

質量スペクトにマッチするタンパク質あいるはペプチドを配列データベースから探し出すことによって実験サンプル中に存在するタンパク質を同定する手法は、この業界では「データベース検索」と呼ばれており、使い勝手の良いソフトウェアツールとして開発・改良が進み、広く使われるようになりました。今ではないと困るほどのソフトウェアツールにもなったこの手法が発表されてから今年で25年目を迎えます。

1993年、異なる5つの研究グループが同時多発的にペプチド・マス・フィンガープリンティングを発表し、MSスペクトルに対応するタンパク質の同定に有効な手法であることを示しました。この手法はその後すぐにMS/MSスペクトルに応用・拡張されています。

当時のSwissProtに登録されていたタンパク質は3万件程度で、配列が決定されたゲノムはまだありませんでしたので、その後の配列データベースの充実ぶり、計算機や分離技術・測定装置などの発展ぶりを見ると、この分野はずいぶんと長い道のりを歩んできたと思います。当時の状況を ブログ にまとめました。またブログの中でリンクされているとても古い文章の「A history of Mascot and Mowse」和訳 しましたので併せてご覧ください。

25th Anniversary of PMF

今月の論文

Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

Large-scale intact glycopeptide identification by Mascot database search

Ravi Chand Bollineni, Christian Jeffrey Koehler, Randi Elin Gislefoss, Jan Haug Anonsen & Bernd Thiede

Scientific Reports, volume 8, Article number: 2117 (2018)

The authors have developed a novel method for identifying intact glycopeptides in a high-throughput and batch-wise manner. They created a custom peptide database in which known glycan structures were linearized and then encoded using the one letter codes O (GlcNAc, GalNAc), J (Galactose, Mannose) and U (Neu5Ac). Additional monosaccharides could be encoded as variable modifications to these codes. By assigning the appropriate mass values and attaching the glycan sequence at the peptide N-terminus, Mascot was enabled to match glycosidic cleavage ions from both N-linked and O-linked glycans as pseudo y-ions.

Serum samples from controls and patients diagnosed with prostate cancer were analyzed to validate the approach. Samples were digested with trypsin and desalted with ZIC-HILIC SPE, enriched with TiO2 beads, followed by LC-MS analysis. The intact glycopeptide mass spectra were submitted to the Mascot search engine for identification and relative quantification with Mascot Distiller. The data was searched against a custom glycoprotein database.

A total of 257 glycoproteins were identified from the 24 serum samples. Within these 257 glycoproteins, a total of 970 unique glycosylation sites and 3447 non-redundant glycopeptide variants were identified.

Thumbnail from featured publication

今月の小技

弊社のソフトウェア製品に適したPCハードウェアの仕様は過去のニュースレターでも取り上げていますが、改めてまとめましたのでご利用ください。

Mascot ServerとMascot DistillerはCPUリソースを最大限に利用するように作られています。タスクマネージャのパフォーマンスを見るとCPU使用率がしばしば100%になっているのはこの理由によります。従いまして、Mascot ServerとMascot DistillerをひとつのPCにインストールするのはお薦めしていません。

Mascot Serverライセンスは検索に使用できるコアの数を1CPUライセンス当たり4物理コア(Hyperthreading状態では8論理コア)に制限していますので、お客様には演算速度がより速いコアを持つプロセッサを搭載したPCをご提案しています。

一方、Mascot Distillerライセンスはコアの数に制限がありませんので、コアの演算速度がより速く、より多くのコア持つプロセッサを搭載したPCをお薦めしています。なお、Mascot Distiller 2.7ではプロファイル質量データ処理に改良を加え、MS2スペクトルからのピーク抽出処理を劇的に高速化しました。また、多価の「m/z」ピークを1価の「MH+」ピークに変換することができますので、多価のプロダクトイオンピークを含むMS2スペクトルのペプチド同定にお困りのお客様はぜひお試しください。

PCハードウェア仕様にかかわる項目を次のヘルプページにまとめてありますので参考にしてください。

hardware

お問い合せ

マトリックスサイエンス株式会社

〒110-0015 東京都台東区東上野1-6-10 ARTビル1F

info-jp@matrixscience.com

電話:03-5807-7895

ファクシミリ:03-5807-7896

 

Matrix Science logo

Matrix Science Ltd, 64 Baker Street, London W1U 7GB, UK
T +44 (0)20 7486 1050  F +44 (0)20 7224 1344  E info@matrixscience.com
 

View in a web browser Forward to a colleague Unsubscribe