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2016年12月号

Mascot Server 2.6をリリースしました。新たにスペクトル・ライブラリ検索機能を実装し、既存の配列データベース検索環境に統合しました。Mascot Serverの保守契約をお持ちのお客様には来年(2017年)1月末頃にお渡しできると思いますので今しばらくお待ちください。

Mascot を利用した研究論文を紹介しています。取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、 Mascot ニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

今月の小技は、Windows版Mascot Serverに4GB以上の質量データファイルを投入する新しい方法をご紹介します。

Mascotニューズレターのバックナンバーは このページ からご覧いただけます。日本語版は「Japanese」リンクをクリックしてください。

 

今月のトピックス

スペクトル・ライブラリ検索
Mascot を利用した論文の紹介
今月の小技
 

スペクトル・ライブラリ検索(Mascot Server 2.6新機能)

Mascot Server 2.6では、アミノ酸及び塩基配列データベースに対する検索機能に加え、新たにスペクトル・ライブラリに対する検索機能をサポートしました。これまでと同様の検索環境の下で、アミノ酸配列データベース、塩基配列データベース、スペクトル・ライブラリの3種類のデータベースを任意に組み合わせてMascot検索を実行し、これまでと同様な検索結果が表示されます。スペクトル・ライブラリの検索エンジンは NIST MSPepSearch を利用しています。

データベースを管理するためのユーザー・インターフェイスである「Database Manager」では、スペクトル・ライブラリの管理メニューはFASTAファイルのそれとは別構成になっています。多数の公共ライブラリをあらかじめ登録してありますので、FASTAファイル同様、マウス操作でセットアップすることができます。

さらに「Spectral library filters」機能を実装しました。この機能を利用すると、たとえばいままでお客様が実行したMascot検索の検索結果ファイルからお客様独自のスペクトル・ライブラリを構築することができます。

Mascot Server 2.6の新規機能に関しては このページ をご覧ください。

spectral library

Mascotを利用した論文の紹介

Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

The epichaperome is an integrated chaperome network that facilitates tumour survival

Anna Rodina, Tai Wang, Pengrong Yan, Erica DaGama Gomes, Mark P. S. Dunphy, Nagavarakishore Pillarsetty, John Koren, John F. Gerecitano, Tony Taldone, Hongliang Zong, Eloisi Caldas-Lopes, Mary Alpaugh, Adriana Corben, Matthew Riolo, Brad Beattie, Christina Pressl, Radu I. Peter, Chao Xu, Robert Trondl, Hardik J. Patel, Fumiko Shimizu, Alexander Bolaender, Chenghua Yang, Palak Panchal, Mohammad F. Farooq, Sarah Kishinevsky, Shanu Modi, Oscar Lin, Feixia Chu, Sujata Patil, Hediye Erdjument-Bromage, Pat Zanzonico, Clifford Hudis, Lorenz Studer, Gail J. Roboz, Ethel Cesarman, Leandro Cerchietti, Ross Levine, Ari Melnick, Steven M. Larson, Jason S. Lewis, Monica L. Guzman & Gabriela Chiosis

Nature 538, 397-401 (20 October 2016)

The authors have investigated the multi-protein complexes centered around the chaperones, heat shock proteins 70 and 90, and have determined that they are part of a larger network encompassing numerous cellular processes vital for tumor cell function. They term this larger network the epichaperome.

They also found that this network is active in certain types of cancer cells, giving them a degree of protection. However, disruption of the chaperone complexes causes dismantling of the network and cell death. They investigated a range of cancer cell lines (pancreatic, gastric, lung, and breast cancers, as well as lymphomas and leukaemias) and found that approximately 60-70% presented medium to high levels of epichaperome complexes. Additionally the oncogene MYC was able to rewire the network and to drive the formation of the epichaperone. The vulnerability of the network to disruption may pose opportunities for pharmaceutical interventions.

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今月の小技

「Windows+IIS」の環境下では処理できない4GB以上の質量データファイルをコマンドラインから直接Mascotの検索エンジンに投入する方法は「Mascot ニューズレター 2016年2月号」でご紹介しました。Mascot Server 2.6にバンドルされているMascot Daemon 2.6ではこれに類する新機能を実装しましたのでご紹介します。

Mascot Server 2.6がインストールされているPCにMascot Daemon 2.6をインストールすると、Mascot Daemon 2.6で指定した質量データファイルはIIS(Windowsの標準Webサーバ)を介さずに直接Mascot Server 2.6に投入することができます。この方法では、Mascot Daemon 2.6はMascot Server 2.6と直接取引しますので、ファイルサイズの制限も、タイムアウトの問題も起こりません。

また、Mascot Daemon 2.6では検索状況表示や検索キャンセルボタンなどを追加し、さらに使いやすくなるように改良しました。詳しくは このページ をご覧ください。

Mascot Daemon

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