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Mascotニューズレター 10月号

質量分析計が高性能化するにつれ、de novoシーケンシングを使って配列データベースに登録されていないペプチドを推定することが現実的な手段になってきました。Mascot Distillerの「Search Toolbox」モジュールには強力なde novoアルゴリズムが実装されています。de novoシーケンシングがMascot検索をどのように補完するのかご説明いたします。

Mascotを利用した研究論文を紹介しています。取り上げてほしい話題や研究論文かありましたらぜひご紹介ください。また、 Mascotニューズレターの内容に関して、お気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

今月の小技では、Mascot定量解析で使われたペプチドの信号強度の値を取得する方法について説明しています。

Mascotニューズレターのバックナンバーは次のページからご覧いただけます。日本語版は「Japanese」リンクをクリックしてください。

 

October 2015

De novo シーケンシング
Mascotを利用した研究論文の紹介
今月の小技
 

de novoシーケンシングを使ってMascot検索結果を掘り下げる

  

質量スペクトルが、ゲノム配列が未解読の生物種由来である場合や、予期しない修飾や選択的スプライシングの影響を受けていてMascot検索での同定が難しい場合は、de novoシーケンシングをお試しください。

最新の質量分析計の質量精度とS/N比は驚くほどのレベルに達してはいるものの、同じ質量のペプチドは複数存在しますし、ペプチドの全体象を把握できるようなフラグメンテーションが常に起こるとは限りませんので、質量データだけからペプチドのアミノ酸配列全体を決定するのはまだまだ難しいのが現状です。従いまして、まずde novoシーケンシングで部分的なアミノ酸配列(Sequence Tag:配列タグと呼んでいます)を決定し、その後でMascotの「Error tolerant sequence tag」の検索モードを利用して、ペプチド全体のアミノ酸配列や、修飾あるいはミューテーションによる質量変動要素を決めていくのが現実的だと思います。

Mascot Distiller の「Search Toolbox」モジュールには強力なde novoシーケンシング機能が実装されており、Mascot Serverと組み合わせて、次のような流れで検索結果を掘り下げていくことができます。

  1. Mascot検索:ペプチドの同定
  2. Error tolerant検索:同定されたタンパク質を構成するペプチドの追加同定
  3. 自動的de novoシーケンシング:有意にマッチしないすべての質量スペクトルに対して実行して「配列タグ」を検出
  4. Error tolerant sequence tag検索:「配列タグ」を含む、質量変動要素を加味したペプチド検索

Mascot検索とde novoシーケンシングを組み合わせた解析手順に関しては次の資料をご覧ください。また、Mascot Distillerの使い心地をお試しいただける30日間有効なトライアルライセンスを用意してありますのでご用命ください。

Mascot Distiller De Novo

Mascotを利用した論文の紹介

Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文かありましたらぜひご紹介ください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

In-depth study of Mollivirus sibericum, a new 30,000-y-old giant virus infecting Acanthamoeba

Matthieu Legendre, Audrey Lartigue, Lionel Bertaux, Sandra Jeudy, Julia Bartoli, Magali Lescot, Jean-Marie Alempic, Claire Ramus, Christophe Bruley, Karine Labadie, Lyubov Shmakova, Elizaveta Rivkina, Yohann Coute, Chantal Abergel, and Jean-Michel Claverie

PNAS (2015), vol. 112, E5327-E5335

This paper investigates an ancient virus that was discovered in the Siberian permafrost, and shown to still be infective. It is a very large spherical virion (0.6-µm diameter) enclosing a 651-kb GC-rich genome encoding 523 proteins.

The proteome of purified Mollivirus particles is associated with up to 230 proteins, each of them detected by the identification of at least two different peptides using tandem mass spectrometry. The proteome of the particle revealed two main features: the absence of an embarked transcription apparatus and the unusual presence of many ribosomal (and ribosome-related) proteins.

In addition the authors examined the variation of expressed functions and proteins occurring in A. castellanii infected by Mollivirus by performing a series of analyses at regular intervals throughout the whole virus replication cycle. A description of the workflow and the mass spectrometry data have been deposited in PRIDE - PXD002374 and PXD002375

Thumbnail from featured publication

今月の小技

Mascot DistillerのMS1定量解析またはMascot ServerのMS2定量解析ではタンパク質の存在量比をレポートしますが、その計算の元になるペプチドの信号強度データは次の操作で出力することができます。

Mascot Distillerの場合:
存在量比計算に使われたペプチドの信号強度情報をレポートするテンプレートを用意してありますので ここ からzipファイルをダウンロードしてください。解凍すると「table_peptides_int.xslt」ファイルになりますので、これを「C:\Program Files\Matrix Science\Mascot Distiller\reports」フォルダに格納してください。Mascot Distillerはこのファイルの存在を自動的に認識し、メニューバーの「Analysis」→「Quantitation Reports」メニューに「table_peptide_int」として登録し、これをクリックすると、積算されたペプチドの信号強度と対応するXICの保持時間の情報を含む、表形式のレポートが表示されます。表示されたレポートはExcelにコピー&ペーストできる仕様になっています。なお、信号強度の積算方式により、Mascot Distillerの表中の存在量比の値と、テンプレートのレポート中のペプチドの信号強度から計算した値とが異なる場合があります。テンプレートのレポートでは、メニューバー「Tools」→「Format Options」→「Quantitation Options」タブ→「All Options」ボタン→「Integration」→「trapezium」及び「Simple Ratio」の条件で計算しています。

Mascot Serverの場合:
「Export search results」機能で作成されるCSVまたはXMLファイルにペプチドの信号強度情報を含めることができます。出力項目の「Protein quantitation」と「Peptide quantitation」をチェックしてください。CSVファイルでは、ペプチドの定量情報は右の方のカラムに存在量比と信号強度の値を配置しています。また、タンパク質の存在量比は、タンパク質情報ブロックの最後に「Quantitation summary for protein」のタイトルを付けて配置しています。

Mascot Distiller Analysis menu

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