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「今月のブログ」では、タンパク質の推定に関するABRF iPRGの研究テーマを取り上げました。

「今月の論文」では、マツの光化学系および集光にかかわるタンパク質構成に関する研究論文を取り上げました。

「今月の小技」では、Mascot検索ジョブの優先順位の設定方法についてご説明します。

Mascotニューズレターの バックナンバーはこのページ からご覧いただけます。日本語版は「Japanese」リンクをクリックしてください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

今月のトピックス

タンパク質推定ベンチマーク
マツの光化学装置
検索の優先順位設定
 

タンパク質推定ベンチマーク

ABRFのiPRG (Proteome Informatics Research Group) では、様々なアプローチによるベンチマークの実施を目的として、毎年時流に即した研究テーマを設定し、公開しています。2016/2017の研究テーマは実験サンプルに含まれるタンパク質の推定に関する「問題」です。

実験サンプルは、大腸菌で発現したヒトタンパク質エピトープシグネチャータグ (PrEST) から、共通するTrypicなペプチドを含む互いに異なる2つのタグの組(PrEST-1AとPrEST-1B、PrEST-2AとPrEST-2Bなど)を191組抽出し、Aラベルのタグで構成したプールA、Bラベルのタグで構成したプールB、そしてAラベルおよびBラベルのタグで構成したA+Bプールの3種類を作成し、それぞれ大腸菌細胞溶解液にスパイクして調製しました。また、使用したタグだけを含む配列データベースと、FDR計算用のdecoy配列データベースが提供されています。

実験サンプルは現実的な構成ですが、提供された配列データベースは実験サンプルに含まれるタグだけを含むベンチマーク用の構成になっていますので、相同性が高いタンパク質が多数含まれている公開配列データベースとは趣が異なります。特に、検索結果から実験サンプルに含まれるタンパク質を推定する際の処理には注意が必要です。

検索結果において、たとえば互いに90%の相同性を持つ2つのタンパク質にマッチした場合、重複配列を除外してどちらのタンパク質が正しいかを推論する方法では、100%に近いアミノ酸残基カバー率が必要となり、配列置換などによる実験サンプルと配列データベースの配列に違いがある場合は結果レポートにはどちらのタンパク質も表示されない可能性が出てきます。

今回のiPRGの「問題」に対して弊社でもベンチマークを実施しました。配列データベースの組み合わせが検索結果に及ぼす影響や、「Protein Family」レポートが推論したタンパク質についてご説明していますので詳しくは ブログ をご覧ください。

ROCs

マツの光化学装置

Mascotニューズレターで取り上げてほしい話題や研究論文がありましたらぜひご紹介ください。また、Mascotニューズレターの内容に関してお気づきの点やご質問などありましたらご連絡ください。

 

The unique photosynthetic apparatus of Pinaceae: analysis of photosynthetic complexes in Picea abies

Steffen Grebe, Andrea Trotta, Azfar A Bajwa, Marjaana Suorsa, Peter J Gollan, Stefan Jansson, Mikko Tikkanen, and Eva-Mari Aro

J. Exp. Botany, 70 3211–3225 (2019)

裸子植物であるマツは亜寒帯針葉樹林(その昔習った「タイガ」ですね)においては主要な光合成種ですが、光合成に関わるタンパク質の構成についてはこれまでよくわかっていませんでした。この研究論文では、NCBIとConGenIEからノルウェートウヒ(Picea abies)の光合成関連配列データを抽出してチラコイドタンパク質の配列データベースを整備し、モデル被子植物のシロイヌナズナやその他の陸上植物と比較・解析しています。

Picea abiesの光化学系I(PSI)および光化学系II(PSII)のコア複合体のサブユニット組成はシロイヌナズナのそれと類似しており、アセンブリ中間体PSI複合体によく似た小さなPSIサブ複合体が多数存在すると報告しています。

さらに、84種の陸上植物のゲノムおよびトランスクリプトームから利用可能なすべての集光複合体(LHC)ホモログを分類し、マツ科のLHCファミリーメンバーの進化的分布を解析した結果、Picea abiesおよび他のマツ科(GnetaceaeおよびWelwitschiaceae)はLHCB4を失い、LHCB8を保持していることから、陸上植物の中で独特のLHC組成を持っていると報告しています。

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検索の優先順位設定

Mascot検索ジョブ各々に対して優先順位を指定することができます。Welcomeトップページの[Database status]リンク→[データベース名]リンクで表示されるページには現在進行中の検索および最近の検索がリストされています。[Current jobs]ブロックのジョブ番号をクリックし、[Priority]の数値リンクをクリックすると数値に応じた優先順位に変更されます。[Job request?]の[kill]リンクをクリックするとジョブを強制終了させることができます。また、ジョブを一時停止することもできますのでお試しください。

Mascotセキュリティ機能が有効になっている場合は、優先度の初期値(最高の優先度)をグループごとに設定することができます。ユーザーはジョブの優先度を落とすことができますが、初期値を超えて優先度を上げることはできません。 Mascotセキュリティでは、最大検索時間やユーザーごとの同時検索数など、検索時間に影響を与える項目をグループごとに設定することができます。

なお、根本的にMascot検索が遅いとお感じになっている場合は、より高速なPCへの乗り換えや、追加のMascotライセンスの購入をご検討ください。

Mascot tip

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